資金調達方法の1つで注目を集めているファクタリングサービスは、売掛債権を売却、譲渡によって現金化できるのがメリットです。融資ではないので業績に関係なく資金調達ができる可能性が高く、審査の大部分は売掛先の業績が対象となる点に特徴があります。ファクタリングサービスのデメリットは手数料が高いこと、慣れないと契約に至るまでに手間が掛かることが挙げられます。手数料は取引先に通知して承諾を得る3社間ファクタリングを選択すれば抑えられますし、契約は一度ファクタリングサービスを利用すれば次からは難しくなくなります。
いずれにしても、今後売掛債権の売却や譲渡が一般的な資金調達方法になったり、普及拡大する可能性は十分に考えられます。ファクタリングサービスを提供するファクタリング会社が増えてしますが、背景には掛取引を行う業界や企業が多いこと、売掛金の回収が間に合わずに資金繰りが悪化して倒産してしまうケースが少ないことです。つまり、売掛債権の現金化さえできれば倒産を免れられるケースは思いの外多く、ファクタリングの利用を考える企業が増えていることがファクタリング会社ひいてはファクタリングサービスの増加に繋がっています。債権譲渡登記を伴う取引は、債権の譲渡が売掛先に知られてしまい、資金繰りが悪化しているのではないかと疑念が持たれる切っ掛けになり得るので注意が必要です。
売掛債権譲渡がここにきて加速を見せているのは、2020年の法改正の影響が大きく、政府が企業の債権活用を後押しする姿勢を明確にしたことも無視できないといえます。